モニターなしでラズベリーパイのOSインストールと初期設定
以前はラズベリーパイのOSインストールと初期設定にはモニター/ディスプレイ・キーボード・マウスが必ず必要でした。というのは、初回起動後にWi-Fiの設定やSSHの有効化がGUI画面上でしかできなかったからです。これが、Raspberry Pi ImagerというOS書き込みソフトが出たことで不要になりました。このソフトを使ってPCだけでRaspberry Pi OSをインストールする方法を、初心者の方にでもわかりやすく紹介していきます。
①OSインストール前の事前準備
ラズベリーパイの入手
まずはラズベリーパイを購入しましょう。2025年11月現在、容易に購入できるラズベリーパイ、Raspberry Pi Zero 2 WH、Raspberry Pi 4、もしくはRaspberry Pi 5となります。ラズパイの種類について詳しく知りたい方は ラズベリーパイの5つの種類、失敗しない選び方、おすすめ入門機 をごらんください。

Raspberry Pi 5
周辺機器の入手
OSのセットアップにはPC、microSDカード、microSDカードリーダー(USBハブ)、ACアダプターが必要です。その他、今回は必要ありませんが周辺機器ついての詳細は ラズベリーパイに何が必要?|周辺機器の選び方 をご参照ください。
②OSのインストール
周辺機器が揃ったら、OSのインストールに入っていきましょう。
Raspberry Pi Imagerのダウンロードとインストール
ラズベリーパイのOSをmicroSDカードに書き込みを行う専用のソフトとして、Raspberry Pi Imagerという便利なソフトがあります。このソフトをお使いのPCにインストールするところから行います。

まずは以下のURLにアクセスします。
https://www.raspberrypi.com/software/
Install Raspberry Pi OS using Raspberry Pi Imagerというセクションがありますので、お使いのPCのOSに応じてDownload for macOSもしくはDownload for Windowsのボタンをクリックし、Imagerをダウンロードします。

ダウンロードしたファイルを実行してImagerをPCにインストールします。
使用するラズベリーパイOSの決定
Raspberry Pi OSは、32bit/64bitの違い、Debianバージョンの違い(bookwormやbullseye)、デスクトップ環境のあり/なし、バンドルソフトのあり/なしから12種類ほど存在します。さらにそれぞれの種類に最新のものから過去のものまで、バージョンが存在します。
Raspberry Pi OSはLinuxディストリビューションと呼ばれるもののひとつで、Debian(デビアン)と呼ばれるLinuxディストリビューションをベースに作られています。ですので、数年前まではRaspberry Pi OSという名前ではなく、Rasbian OSという名前でした。
Debianが更新されるとRaspberry Pi OSも更新され、そのDebianの最新バージョン名がbookwormで、一つ前のバージョンがbullseyeです。
以下のURLにアクセスすると、12種類のOSを確認できます。
https://www.raspberrypi.com/software/operating-systems/
Compatible with: となっている部分を見ると、対応のRaspberry Piの種類とリビジョンが確認できます。ラズパイの種類やリビジョンについては ラズベリーパイの5つの種類、失敗しない選び方、おすすめ入門機 をごらんください。

ラズベリーパイの種類・用途・使用するOSの3つは密接に関係しています。例えば、Raspberry Pi 5を使いたい場合、Debianバージョンはbookworm一択となるためbullseye(Legacy)は使用できません。やっかいなことに、bullseyeでしか動かないアプリケーションやライブラリが存在するため、それらを使ったものを作成したい場合、Raspberry Pi 4を使う必要があります。なお、bookwormでは、pythonの仮想環境の作成が必須となっており、初心者の方には少し敷居が高いかもしれません
ディスプレイを接続する場合、デスクトップ環境を使用したい場合はデスクトップあり版を、CUIだけで良い場合はLiteを選択することになります。Liteはインストールもすぐ終わり動作も軽快ですが、何かあった時のためにデスクトップ環境はあったほうが無難です。
バンドルソフトあり版は、オフィスツールやゲームがプリインストールされます。通常はバンドルソフトなし版で問題ないでしょう。
32bitと64bitでは、64bitのほうがパフォーマンスが多少良くなります。
Raspberry Pi 5の力を最大限に引き出すには、2025年11月時点で最新版である、以下の64bit・Trixie・デスクトップあり版の使用をおすすめします。
ラズベリーパイOSイメージのダウンロード
ImagerからインストールしたいOSを選択して、インストール時にバックグラウンドでダウンロードを行うこともできますが、あらかじめOSイメージをPCにダウンロードしておくと、再インストールがすぐできるなど、何かと便利です。
OSはさきほどのURLからダウンロードできます。
https://www.raspberrypi.com/software/operating-systems/
ダウンロードしたOSイメージ圧縮ファイル(.xzファイル)は解凍する必要はありません。ちなみに解凍すると4GB程度の.imgファイルとなります。このimgファイルをそのままmicroSDのディレクトリにドラッグ&ドロップしただけでは、ラズパイからOSとして起動することはできません。
.imgファイルを展開して個々のファイルとして配置する必要があるため、Imagerを使用して書き込みを行います。Imagerは.xzファイルの解凍、.imgファイルの展開と配置を両方やってくれます。
Raspberry Pi ImagerによるOSイメージのmicroSDへの書き込み(インストール)
ストレージの選択まで
まずはImagerを起動します。起動したら、「デバイスを選択」ボタンをクリックします。

使用するラズベリーパイ(ここではRaspberry Pi 5)をクリックします。

次に「OSを選択」ボタンをクリックします。

ここから書き込みを行うOSを選択することもできますが、既にOSイメージをダウンロード済みなので、下までスクロールします。

1番下のUse customをクリックします。

新しいウィンドウが開くので、ダウンロードしておいてたラズベリーパイOSの.xzファイルを選択して開きます。

次はmicroSDカードをPCに(microSDカードスロットが無い場合はUSBハブに)挿入し、PCに接続します。
Imagerの「ストレージを選択」ボタンをクリックします。

microSDカードがストレージとして表示されているので、クリックします。

ストレージがセットされました。「次へ」ボタンをクリックします。

OSカスタマイズを使用するかの確認メッセージが表示されます。
OSカスタマイズ設定
「設定を編集する」ボタンをクリックします。

OSカスタマイズのウィンドウが開きます。

まずは「ホスト名」のチェックを入れ、raspberypiなどのホスト名を入力します。ホスト名とはコンピューターの名前です。次に「ユーザー名とパスワードを設定する」のチェックを入れ、お好きなユーザー名とパスワードを入力します。

ラズベリーパイは伝統的にユーザー名にpiが使用されてきましたが、最近ではセキュリティーの観点からpiのユーザー名使用は推奨されていません。ただし、インターネットに公開しないような個人的な使い方であればpiでも問題ないでしょう。
続いて「Wi-Fiの設定をする」にチェックを入れ、SSIDとパスワードを入力します。

続いて「ロケール設定をする」にチェックを入れ、タイムゾーンにAsia/Tokyo、キーボードレイアウトにjpを選択します。

次に上部の「サービス」クリックします。

「SSHを有効化する」にチェックを入れ、「パスワード認証を使う」を選択して保存ボタンをクリックします。

次の画面で「はい」をクリックします。

続いて「はい」をクリックします。

書き込みがスタートしますので、しばらく待ちます。

書き込みが完了すると確認が始まりますので、しばらく待ちます。

書き込みが完了すると以下のようなメッセージが表示されますので、microSDカードを外し、「続ける」ボタンをクリックします。

③ラズベリーパイの準備・起動
microSDカードのラズパイへのセット
ラズパイを裏返すとmicroSDカードスロットがありますので、OSをインストールしたmicroSDカードを奥まで差し込みます。

奥まで差し込んでもこのように少し出っ張ります。

ラズパイの電源投入と起動
ラズパイ4/5では電源はUSB-CポートからDC5Vで3A以上を供給する必要があるため、USB-Cタイプで3A以上が供給できるACアダプターを使用します。ラズパイ5で消費電力の大きなUSB周辺機器を接続する場合、5Aのアダプターが推奨されています。

プラグをラズパイのUSB-Cポートに差し込みましょう。

ラズパイには電源スイッチはありませんので、ACアダプターをコンセントに差し込んで電源を供給しましょう。すぐにPWRの赤色LEDが点灯し、ACTの緑色LEDが不定期に点滅するはずです。

しばらくするとSSHで接続できるようになります。SSHの詳細はお使いのPCからSSHで接続をご覧ください。また、VNC Viewerでリモートデスクトップを使用したい場合は、VNC Viewerでリモート操作をご覧ください。
④ラズベリーパイの更新
以下の順にターミナルでコマンドを実行します。OSは最新化され、安心して使用できるようになります。
sudo apt update
sudo apt full-upgrade -y
sudo reboot
なお、上記の操作だけではOSは日本語化されませんので、日本語環境が必要な場合は別途作業が必要になります。
おわりに
いかがでしたでしょうか? ぜひラズベリーパイにRaspberry Pi OSをセットアップして使ってみてくださいね😊



