ラズベリーパイ(Raspberry Pi)という、イギリス発のプログラミング教育向け小型コンピューターについて、初心者の方向けにわかりやすく特徴を紹介します!

ラズベリーパイの特徴

手のひらサイズのコンピューター

Raspberry Pi (ラズベリーパイ) は、プリント基板の上にCPUやメモリがあり、HDMIやUSBコネクターなどもついた手のひらサイズのコンピューターです。

ラズベリーパイはシングルボードコンピューター (SBC) と呼ばれるコンピューターのひとつで、1枚の基板上に、ARMベースのCPUを始めとした、コンピューターとして動く部品をすべて備えています。重さは50gほどですが入出力ポートがあるため、いろいろな周辺機器をつなぐことができます。

モニター、マウス、キーボードをつなぐと、WindowsやMac と同じように普通のデスクトップPCとして使えます。デスクトップPCになるとはいっても、消費電力はたかだか数ワット程度なので、通常のデスクトップPCと比べるとかなり省エネです。

raspberrypi.comより

また、WiFi/Bluetoothも搭載しており、IoTにも活用できます。

 

発祥地はイギリス

ラズベリーパイはイギリスの非営利団体のラズベリーパイ財団が、子供のコンピューターサイエンス教育の教材として開発し、2012年から世界中で販売しています。よくラズパイと略して呼ばれますが、ラズベリーを入れて作ったお菓子のパイではありません。

実はシャレ?

果物のラズベリーを使ったRaspberry Pie (ラズベリーパイ) と間違えやすい! でも実際は英語のシャレです。お菓子のパイ(Pie) とプログラミング言語Pythonのパイ(Py) をかけているのです。

そのほか普通のPCとは違う点がいくつかありますので、それをフルに活用してプログラミング教育の教材として使われています。

 

GPIOつきのコンピューター

ラズベリーパイがMacやWindowsなどのPCと決定的に違うのは、GPIOと呼ばれる自由に使える入出力用のピンがついていることです。

GPIO(ジー・ピー・アイ・オー)とは

General-purpose input/outputの略です。プログラムによって入力モード/出力モードを切り替えられるポートのことです。日本語では汎用入出力と呼ばれます。

例えば、GPIOを入力モードにして温度センサーや人感センサーをつなげば、プログラムから温度や、センサーの前に人がいるかどうかを読み取れます。さらにGPIOを出力モードにしてにLEDをつなげば、プログラムからLEDを光らせられます。工夫すれば温度や人がいるかどうかに応じて自動で光ったり色が変わったりするランプも作れます。

通常のPCはGPIOがないので、センサーやLEDをつないで何かを作る、といった使い方は簡単にはできません。

 

圧倒的に安い

ラズベリーパイは教育用途の小型PCなので、低価格です。普及している4GBのモデルの定価が58ポンド、約9,000円です。

モニターやキーボード、マウスなどの周辺機器と一緒に購入しても、4〜5万円程度で計測・制御・プログラミングができる教材が手に入ることになります。

しかし現在は半導体不足の影響で、定価で入手しづらい状況が続いています。購入に関してはこちらをごらんください。

thepihut.comより

 

OSはmicroSDカードから起動

WindowsやMacのPCは買った時からSSDやHDDにOSが入っていますが、ラズベリーパイは好きなOSを選んで自分でmicroSDカードにインストールし、本体に挿入して初期設定を行ってから使います。通常は無料で使えるラズパイ専用のLinux系OSであるRaspberry Pi OSを使用しますが、これ以外にもUbuntuやBatoceraなど、使えるOSは多くあります。

 

世界中で動いているコンピューターのOSの多くがWindowsやMacだと思われる方も多いかと思いますが、実際はラズベリーパイに入れるOSのようなLinux系OSが、サーバー分野で圧倒的大多数をしめています。

あまりピントこないかもしれませんが、OSを自分で選んで自分でインストールして、設定してあれこれ試行錯誤する、というのが、プログラミングやコンピューターサイエンスの学習でものすごく役に立ちます。作ったプログラムはOS上で動きますし、プログラムを自動起動したいような場合、おのずとOSの基本的な機能を知っていなければならないからです。

また、microSDカードをほかのラズベリーパイに挿せば、そちらのラズベリーパイで同じシステムが起動します。microSDカードをいくつか用意しておいて、用途ごとに入れ替えて使用する、のようなこともできます。

 

ラズベリーパイで学べること

プログラミング

もともとラズベリーパイは子供がコンピューターサイエンスを学ぶための教材用コンピューターですので、プログラミングを学ぶときに使用できます。

ラズパイではどんなプログラミング言語でも学ぶことができますが、多くのケースでPythonを学ぶことが多いです。これは、ラズベリーパイに最初からPythonを学ぶためのソフトウェアが搭載されおり、特に準備することなくPythonプログラミングを始めることができます。

 

電子工作

電子工作といえば、ひと昔前は抵抗やトランジスタなどの電子パーツだけを使い、100%電気的に動かすものが主流でした。現在はコンピューター組み合わせ、プログラミングで高度な動きをさせるものが主流となっています。

この現代の電子工作を学ぶのに、ラズベリーパイが使用できます。

最初はこんなことを学びます

LEDをプログラムで点滅させる(制御)
ボタンを押したことをプログラムで検出する(計測)
・上記を組みわせ、ボタンを押したらLEDを光らせる(計測と制御の組み合わせ)

イギリス・ケンブリッジでの公式ラズパイストアでの展示例

 

ほかにも様々なことを学べます。学んだ後は、アイディア次第で自分の好きなものを作れるようになります。

例えばこんなことができるようになります

・CO2濃度があるしきい値を超えたら、ブザーと赤ランプでお知らせする
・Suicaをかざすと動くスマートロックを自作する
・動く物体を検出したら、写真を撮影して画像認識を行う
・人の声を認識したら、「こんにちは」のMP3ファイルを再生する

 

IoT

また、ラズベリーパイには標準でWi-Fi、Bluetooth、Gigabit Ethernetのネットワーク機能がありますので、IoTの学習にも活用できます。

IoTを学ぶとこんなことができるようになります

・CO2濃度があるしきい値を超えたら、遠隔でスマホに通知を送る
・Amazon EchoやGoogle Homeと連動するスマートリモコンを作る
・遠隔でスマホからから施錠・解錠できるスマートロックを作る
・祖父母宅の冷蔵庫の開閉時間をGoogleスプレッドシートに記録する

 

 

ラズベリーパイの作品例

しゃべるぬいぐるみ

スピーカーをぬいぐるみにうめこみ、人感センサーなどの入力をトリガーに予め録音しておいた音声のMP3ファイルを再生すれば、しゃべるぬいぐるみを作ることができます。

しゃべるぬいぐるみを作るのに必要なもの

・Raspberry Piシリーズ
・超音波センサーなど(入力)
・プレイヤーソフトを制御する自作のプログラム
・音声MP3ファイル(データ)
・アンプ内蔵スピーカー(出力)
・ぬいぐるみ🐻

 

ミッションインポッシブルに出てくるような機械

ラズベリーパイを使って電話の交換機に似たものを作り、ラズベリーパイから電話を鳴らしたり、MP3ファイルの音声を流したりすれば、映画ミッションインポッシブルに出てくるような、ミッションを伝えるガジェットを作れます。

ミッションインポッシブルに出てくるような機械を作るのに必要なもの

・Raspberry Piシリーズ、もしくはZeroシリーズ、もしくはPicoシリーズ
・アナログ電話
・制御用の自作のプログラム
・フォトカプラやリレー、トランスなど、交換機の作成に必要な部品
・アンプ
・MP3再生モジュール(Picoシリーズを使用する場合)

 

遠隔操作できるIoT給湯器

ラズベリーパイを給湯器リモコンの制御基板にフォトカプラ経由で接続し、AWSのサービスも組み合わせれば、SiriやAlexaを通じて外出先からでも遠隔で電源On/Offやお湯はりができるように、給湯器を改造することができます。

IoT給湯器を作るのに必要なもの

・Raspberry Pi Zeroシリーズ、もしくはRaspberry Pi Pico W
・スマホ(入力)
・制御用の自作のプログラム
・AWS IoT Core(AWSサービス)
・Amazon API Gateway(AWSサービス)
・フォトカプラを接続した給湯器リモコン(出力)

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

本記事では、ラズベリーパイとは何なのか、学べること、作品例を説明しました。ほかの記事では、ラズパイでできることの詳細やラズパイの種類と選び方など紹介しています。

ぜひみなさんもラズベリーパイをはじめてみてくださいね😊